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寒川町小動 念宗寺(ねんそうじ) 雉子稲荷

「かながわのむかしばなし五十選」(神奈川県教育庁文化財保護課編・著、1983年3月発行)の中に、念宗寺(写真1)の雉子稲荷(写真2)にまつわるむかしばなしがあります。

[雉子稲荷]
昔、念宗寺の和尚さんが境内を掃いていると、一匹の狐が草むらから鳥をくわえて飛び出してきた。
和尚の「どろぼう」の声に驚き、くわえた鳥を落として狐は逃げ去った。
抱き上げてみると狐がくわえていた鳥は雉子であった。
「鳥と獣の違いこそあれ同じ山の生きものが・・・」和尚は寺の辻に雉子を埋め、お経を上げて成仏させた。
それを隠れて見ていた久兵衛、太七、茂十の若衆は雉子を掘り出し料理をはじめた。
「久しぶりのごちそうだ」と舌なめずりをしていると、茂十が「和尚が供養した雉子をおれたちだけで食べたら祟りがある」「でも、和尚は受け取らないぞ」「じゃ、鶏の肉といって置いてこよう」。
三人が寺に肉をもっていくのを『苦労してつかまえたオレの雉子なのに』とくやしがって狐が見ていた。
和尚は「わしは仏に仕える身、このような生きものはいただけない」と受け取ろうとしなかったが、若衆は肉を置くと逃げるように寺を出ていった。
つぎの夜、「食うやった、食うやった雉子の肉を食うやった」と境内で歌いはね回るものがいる。和尚が出てみると昨日の狐だった。
「わしは雉子などは食わん」と怒ったが、毎夜狐が寺に来ては「食うやった、食うやった雉子の肉を食うやった」と歌われ和尚も困り果て、「もうその歌はやめて下され。そのかわり、おまえと雉子を祭る稲荷さまを建ててやるでのう。すれば、おまえは神さまの使いじゃ」。
狐は神様の使いになれるといわれ喜び山に帰り、それっきり寺へは来なかった。
こうしてつくられたのが念宗寺の雉子稲荷である。

d0240916_15234331.jpg(写真1)念宗寺
天正2年(1574)創立。
本尊は木造阿弥陀如来坐像(像高53.4㎝)室町時代の作。町指定重要文化財第17号

d0240916_15235950.jpg(写真2)雉子稲荷
念宗寺の境内の入口右手奥にあります。


by jyohokiti | 2012-01-09 16:19 | 観光案内

寒川町のあれこれをご紹介しています。


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